今、ゲノミクスが向かっている大きな潮流として、シングルセル解析があります。Nature、ScienceやCellといった科学コミュニティにインパクトの大きいジャーナルに関してもシングルセル解析が載っていない号を見つけることが難しい状況です。例えば、2018年、サイエンス誌が最も核心的であった科学ニュースとして選んだBreakthrough of the yearの第一位は”Development cell by cell”、すなわちシングルセル解析による発生過程の再構築でした。海外に目を向ければ、数十億円を資本としたシングルセル創薬のベンチャーが立ち上がり、Chan Zuckerberg Initiative(通称Facebook財団)がシングルセルレベルでヒトを構成する細胞の特性を明らかにするHuman Cell Atlasを支援するなど、シングルセル解析を基盤とした生命科学が盛んに行われております。
この度、シングルセルゲノミクス研究会を立ち上げる運びとなりました。本会は、これからシングルセル解析を始める、あるいは計画しているビギナーから実際に進めているエキスパートに至る幅広い層を対象とした横断的な情報交換の場であります。また、アカデミアとインダストリーがフラットで議論できる環境を提供致します。通常の研究集会のみならず、オンラインで交流する新しい試みも含まれております。この会が日本においてシングルセル解析に関わる全ての研究者そして関連企業の方々に福音を与えるものと確信しております。皆様の参加をお待ち申し上げます。
オーガナイーザー 渡辺 亮(京都大学)